NHK「きょうの料理」の司会をしている後藤繁榮(ごとう しげよし)さんのお話です。あるとき、後藤さんが料理の先生に質問をしました。なべにぴったりと合うふたがついているのに、どうして煮物のときには、わざわざ一回り小さいふたを使うのか疑問に思い、「先生、なぜ落としぶたなんですか?」と質問しました。
先生は「いい質問よ。私の料理教室に来る若い生徒さんたちは、落としぶたという言葉を知らないの。だから、おとしぶたって、どんな豚ですか?なんて言ったりするのよ」きっと、近ごろは家庭で煮物を作る人が少なくなったからではないでしょうか。
落としぶたをすると、沸騰した汁がふたに当たって対流が起こるため、料理全体に煮汁がいきわたり均一に煮えるそうです。
最近は、シリコンでできた落としぶたがあるそうです。その落としぶたは「豚の顔」の形をしているのです。まさに、落としブタですね。