大切なものは、土の中にある

   奇跡のリンゴで有名な木村秋則さんの話です。
 山のタンポポは、畑のタンポポより大きく、虫もついていません。本来、土にはバクテリアや微生物がたくさん生息していて、栄養分を生み出しています。ところが、肥料を与えられると、微生物たちは、もう働かなくてもいいと勘違いして、休んでしまうのです。ですから、肥料を与えると土がやせてしまうので、さらに肥料が必要になるのです。
 無肥料・無農薬栽培に挑戦し始めた当初、畑の土は「うちの主人は肥料を一切与えてくれない。一体何を考えているんだ!」と思ったでしょう。
 それで、バクテリアや微生物たちが会議を開いて、「栄養が足りない。みんなでまた働こう。」ということになったのではないでしょうか。
 私は長い間「土の上」しか見ていませんでした。しかし、大切なのは、「土の中」だったのです。
 木は根から土の養分を吸い上げます。土が豊かなら、木が健康になるのは当然のことです。「目に見えないこと」こそ、本当は大事だということです。
 農薬を使わなければ、リンゴの木は、自分の力で病気を治します。
 この話から、私は、人間も同じかなと思いました。「よい土は、健康な木を育て、よい食事は、健康な体を育てる。」そんな言葉が思い浮かびました。
 
                     「みやざき中央新聞」の記事から