作物が育ちやすい環境を整えること、そのことが植物が本来持っている力を最大に引き出すことにつながっていきます。そのお手伝いをするのが、木村秋則さんが提唱する無肥料・無農薬の「自然栽培」です。
「自然栽培」と有機肥料を使う有機栽培とは違います。有機栽培は、肥料の代わりに堆肥を使い、一部の農薬も使います。
一方、「自然栽培」は目と手を農薬や肥料の代わりにして、自然の生態を生かすように工夫し、作物を栽培します。また、「自然栽培」は、畑にほとんど手を入れず、放置する自然農法とも違います。
赤ちゃんが泣いたら、皆さんは放っておかないでしょう。お腹が空いたのか、おむつを替えてほしいのか、泣き声一つで察知して面倒をみているはずです。
自然栽培も同じです。その植物が何をしてほしいのか。植物になった気持ちで考え、面倒をみます。木村さんは、いつも「もし、自分がリンゴだったら・・」とか「トマトだったら・・」と考えながら作業をしています。その植物が育ちやすい環境を整え、植物のお手伝いをするのが農家の仕事だと思っています。だから、木村さんは、自分のことを「リンゴのお手伝い業です」と言っているそうです。
なるほどと、思いました。子どもを育て、教育するときの大きなヒントを与えてもらった、そんな気持ちになりました。
「みやざき中央新聞」より