給食は生徒指導の大切な場 その3 (最終回)

 尾木直樹さんのお話の続きです。
 この前は、おかわりは早い者勝ち、好き勝手に食べて教室から出て行く。そんな給食の時間を紹介しました。それとは、対照的な教室を紹介します。
 4時間目の終わりのチャイムと同時に、机を向かい合わせにして、班をつくります。給食係は完全に身支度をして、きちんと並んで給食を取りに行きます。配膳にかかった時間はわずか8分です。
 特徴は、おかわりの風景です。「カレーをおかわりしたい人?」と最初におかわりに来た人が声をかけます。8人いたら、8分の1だけ、ついでいきます。どんなに遅い子も安心してゆっくりと食べて、おかわりをすることができます。早い者勝ちではありません。担任の先生は、こうした心遣いを「給食民主主義」と呼んでとても大切にしています。
 このような雰囲気の中では、女の子も恥ずかしがらず、おかわりをするようになります。どの班も楽しい会話がはずんでいます。「ごちそうさま!」の後の後片付けの早いこと。班ごとに全員が協力し合って片付けます。給食係はとても楽です。
 このように、給食の時間を通して、安心と信頼を共有し、「自由・平等・公平」の精神を学んでいきます。
 ポイント1 給食風景は学級の人間関係を映す鏡。楽しい給食は学校生活の要
 ポイント2 おかわりの自由と平等こそ、安心と信頼の人間関係のバロメーター
 
                     「学校を元気にする50のルール」より