11月24日は「鰹節(かつおぶし)の日」

   11月24日は「いいふし」の語呂合わせで「鰹節(かつおぶし)の日」です。
 鰹節の技術が確立したのは室町時代です。ところが当時は、まだ今のように日持ちがするものではなかったようです。保存がきくようになったのは江戸時代です。紀州の角屋甚太郎という人が鰹をいぶして燻製(くんせい)する方法を考え出しました。続いて、同じ紀州の土佐与一という人がカツオの表面にカビを付ける方法を見つけ出しました。このことによって、表面を保護し、かなりの長期間保存ができるようになりました。
 土佐与一がこの技術を積極的に広めたので、全国に鰹節の技術が普及しました。しかし、紀州藩からは紀州独自の技術を漏らしたとして、土佐与一は追放処分になります。
 良質の保存食品となった鰹節は、「鰹」が「勝つ魚」に、「節」が「武士」に発音が似ていることから、江戸時代には武家同士の贈り物の定番となりました。
 あるとき、鰹が不漁で、鰹節が必要な数だけ確保できませんでした。大変困ってしまいましたが、ある1軒の商店が、「鰹節引換券」というものを考え出しました。いつでも好きなときに鰹節と引き替えることができるのです。その引換券のおかげで急場をしのぐことができました。
 引換券は「重いものを持ち歩かなくてもよい」「好きなときに商品にかえられる」という思わぬ効果がありました。そのため、この「鰹節引換券」を購入する人が増え、その後、今の「商品券」へと姿を変えていったそうです。商品券のルーツは「鰹節引換券」だったのです。