12月9日は「クジラの日」

    毎月9日は「クジラの日」です。1993年(平成5年)に制定されました。「く(9)じら」の語呂合わせです。
 日本人は、クジラをとても大切な存在としてきました。東北、近畿、九州をはじめ日本各地で、漁業の神様である「恵比寿」の化身や仮の姿として、クジラを「エビス」と呼ぶことがあるそうです。日本人は、クジラをこよいなく愛しており、日本各地に「鯨墓」と呼ばれるクジラの墓が約100個ほどあると言われています。
 数年前に千葉県の海岸にマッコウクジラが打ち上げられました。地元住民は助けようとしましたが、遠浅であったため、どうしようもなかったそうです。地元の漁業関係者は「助けられなくて残念」と話していたそうです。また、地元の幼稚園児はクジラが助かるように応援していたとのことです。みんなが見守る中、クジラは亡くなりましたが、死んだクジラを海岸近くの防風林内に手厚く埋葬したそうです。
 以前、日本人は捕鯨をし、クジラの肉を食べていましたが、同時に、死んだクジラを悼む気持ちがありました。それで、昔の日本人は、クジラの墓を作ったのではないでしょうか。千葉県の海岸に打ち上げられたクジラに対する地元住民のまなざしの中に、昔の日本人がもっていた気持ちと同じものを感じました。