餅について少しお話をします。餅は「もち米」を原料にしています。もち米の原産地は東南アジアです。日本には縄文後期から弥生前期のころにやってきました。もち米のデンプンは生だとβデンプンといって食べても消化しにくいものです。ところが、水分を与えて熱すると、柔らかく消化のよいαデンプンに変わります。
この性質を利用して、もち米を水に浸し、蒸してつくと、食べやすく、おいしい餅になります。ところが、そのままにしておくと、冷えて堅くなります。保存食に適したものになるわけです。必要なときに、電子レンジで温めると、また、つきたてのような柔らかい餅になります。熱や水によってデンプンが、αデンプンになったり、βデンプンになったりする、とても便利で食品です。
参考資料「食育歳時記」