日本食の基本は「一汁一菜」と言われています。このことについて調べてみました。
現在の日本食のもとは,鎌倉時代の禅僧の「一汁一菜」という食事のスタイルから始まったようです。「一汁一菜」とはどんなものでしょう。
①玄米ご飯
ぬかや胚芽がついたままの米で,白米より栄養分が多く含まれています。1日5合を2食に分けて食べていました。
②味噌汁(汁物)
大豆の粒を残したままの味噌は,調味料としてだけでなく,良質のタンパク質を取ることもできました。
③小魚(一種類のおかず)
季節や地域によって異なりますが,魚の干物やおからなどからタンパク質やカルシウムを取っていました。
以上のような食事内容です。日本人の食生活の基本となりました。
「一汁一菜」は,禅宗とともに武士に伝わっていきました。その食事の内容は質素なものでしたが,鎌倉武士の合い言葉は「いざ鎌倉!」でした。戦にそなえて,必要な栄養を素早くとるための理想的な食事だったのです。
玄米を主食に,副食は,魚の他に,豆・根菜・海草など植物性のタンパク質や食物繊維を豊富に含むものを取りました。それに味噌汁をつけるのが「日本食」の基本です。
①玄米
食物繊維やビタミンB群,ミネラルなどの栄養がバランスよく含まれています。
②豆類
良質なタンパク質が豊富に含まれています。カルシウムを効果的に働かせるマグネシウムも多く,体の成長には欠かせません。
③海草
低カロリーで,カルシウム,カリウム,鉄分などミネラルが多く含まれています。
④根菜
食物繊維が豊富に含まれています。また,冬の根菜には,体を温める効果もあります。
今の食事は,おいしく,量も質も豊かになっています。そのため,必要以上にカロリーを取りすぎ,生活習慣病を引き起こす原因の1つになっているのではないでしょうか。もう一度,本来の日本食の原点にもどって,見直してみるのもいいかもしれません。
参考資料「日本食の大研究」