ユマニチュード その1

 知り合いの方で、12年間奥さんを介護された方がいます。その方から聞いたお話です。学校給食に直接関係する話ではありませんが、人と人との心のふれあいや食育など学校教育をする上で大切なことのように思ったのでお伝えします。
 その方は、最後、病院に泊まり込んで看病されました。1日中、手をにぎり、話しかけたそうです。亡くなる前の数日間は、寝ているときも手をにぎっていたそうです。手を離すと不安になるので、トイレと食事以外は、ずっと手をにぎっていました。
 奥さんが危篤状態になったので、大好きだった孫さんをよんだのですが、病院に到着する直前に亡くなられました。ところが、孫さんが手をにぎり、声をかけると10分間ですが、再び心臓が動き出したというのです。お医者さんもびっくりしたそうです。
 この話を聞いて、「手をにぎる」「声をかける」ことは、心のやすらぎや、生きる力を引き出すことにつながると思いました。そして、思い出したのが、フランス発 魔法のような認知症ケア「ユマニチュード」です。
 「見つめる」「話しかける」「ふれる」「立つ」、この4つのことで魔法にかかったように、認知症が改善するのです。認知症の治療だけでなく、ユマニチュードは、人間関係を創り出す魔法の方法かもしれません。次回、その内容をお伝えしたいと思います。