生きることは食べること、日本の食と農業を守りたい その6(最終回)

   木村社長は、何回もの危機を乗り越えて現在の「モクモク手作りファーム」を創り上げてきました。「商品より考え方を売っている」といつも言っています。それは、次のような理由があるからです。
 「会員になるとギフト商品が10%オフになるだけでなく、一緒に田植えをしたり、運動会やクリスマス会を行っています。そういう交流を通して、モクモクの考え方を理解してもらい、共感していただく。そうすると応援してくれ、リピーターになってくれるからです。」
 食育の一環として次のようなこともしています。
「ソーセージづくりをするとき、工場長がブタ1頭を持ってきます。、解体して、『これがロースで、これがヒレ』と部位の説明をします。最後はソーセージをつくって食べるわけですが、私たちが生きていくことは食べることです、食べることは、このブタの命をいただいていることだと言うことを皆さんにお伝えします。ブタは人間に食べられるために生まれてきたのではありません。でも、その命をいただいているのだから、残さないで食ましょうと言うと、子どもだけでなく、大人もしっかり聞いてくれます。」
 また、木村社長は次のことも熱く語っています。
「これからは食育に力を入れていきます。それでないと日本の農業を守れないんじゃないかと考えています。私は、農業は夢とロマンのあるすばらしい仕事だと思って、このモクモクに人生を懸けました。農業は人々の健康を守りる生命産業であり、日本の美しい環境をを守る環境産業だと思っています。」
 農業は、一時は衰退するだけの産業だと思われていましたが、木村社長と吉田専務は、この既成概念を打ち破りたいという夢を今も追いかけています。
                                                                                                                                                                        「致知」より