ユマニチュード その2

フランス発 魔法のような認知症ケア「ユマニチュード」
   認知症の人の中には暴言を吐いたり暴力をふるったりする人がいます。このケアをするとまるで魔法がかかったように、そういう症状が消えていくのです。
 そのケア手法を「ユマニチュード」と言います。フランス人のイヴ・ジネストさんとロゼット・マレスコッティさんが2人で30年あまりかけて作り上げものです。
 認知症の人は,生活環境が変わるとそれに対応するのが難しく,混乱して大声を出したり、暴力をふるったり,治療を拒否したりします。
 ユマニチュードの基本は次の4つがポイントです。
1 見つめること
   同じ目の高さで見つめます。上から見つめると威圧感を覚えます。あくまでも同じ目の高さで見つめます。見つめるのは親近感を示すためです。
2 話しかけること
    優しく,前向きな言葉で話しかけます。ケアをするときは、これから何をするか丁寧に説明します。楽しく心地よく感じてもらうために,声は優しくします。ケアを終えた後もどうだったかを話をします。
3 ふれること
    触れるときもつかむのではなく、やさしく下から触れるようにします。話をしながら触れます。
 やさしいまなざしや言葉、しぐさで、患者と心が通じ合う回路を作ると、ほとんどの場合、拒絶的な反応が消えていきます。
4 立つこと
    支えられて自分の足で立つことが出来るようになると,自信が生まれ,生き生きとしてきます。
    最初に心が通じ合う回路を作るのに時間がかかりますが、いったん関係が出来ると ケアがスムーズに進みます。

 「見つる」「声をかける」「ふれる」ことを通して、心が通じ合うことができるようになります。そして「立つ」つまり自分で行動することができるようになると、自信が生まれます。ユマニチュードは、介護だけでなく、家庭教育や学校教育の中でも生かすことができるのではないでしょうか。